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嘔吐下痢(ウイルス性胃腸炎)の症状と治療について

 

2月に入り、インフルエンザの患者さんは減ってきていますが、新型コロナウイルスの感染者が徐々に増えています。さらに、最近は 嘔吐や下痢の症状を訴える患者さんも増えてきています。

そこで今回は、嘔吐下痢の症状と治療、感染予防について 解説します。


嘔吐下痢とは?

「嘔吐下痢」とは ウイルス性胃腸炎 のことを指し、ウイルス感染によって発症します。特に ノロウイルスは感染力が非常に強く、冬場に流行しやすい ため注意が必要です。

⚠️ウイルス性胃腸炎には特効薬はありません
どのウイルスが原因であっても治療方針は変わらず、脱水を防ぐこと二次感染を防ぐこと が最も重要になります。


なぜ、嘔吐下痢?(動画)

「嘔吐下痢」という言葉は、症状の出現する順序 を表しています。

① 嘔吐の症状

  • ウイルスが 口から侵入 し、胃に到達すると感染が成立します。
  • 感染により 胃の動きが悪くなり、食べ物や飲み物、唾液が胃に入るだけで 嘔吐しやすくなります
  • ウイルスの胃内の停滞時間は12~24時間 であり、この期間に嘔吐が強くなることが多いため、嘔吐が激しい場合は、この時間をどのように乗り切るかが重要 です。

 

② 下痢の症状

  • 胃に感染したウイルスは徐々に 腸へ送られます
  • その頃には 胃の動きは正常に戻る ものの、腸での感染が進行し、今度は 下痢が主な症状 になります。

このように、「嘔吐」→「下痢」の順番で症状が見られる ため「下痢嘔吐」と言わず 「嘔吐下痢」 と呼ばれます。


嘔吐下痢の治療法

1. 脱水の予防と対策(最も重要!)

嘔吐や下痢が続くと 脱水症状 になりやすいため、適切な水分補給が必要です。ただし、嘔吐や下痢では 水分だけでなく塩分や糖分も失われる ため、経口補水液などを利用しましょう。

⚠️ 注意点

  • 嘔吐後は 胃が空になり、お腹が空いたように感じることがあります。一度に多くの水分を摂ると再び嘔吐しやすくなる ため、少量ずつ飲ませましょう。

 

水分補給のポイント

  • 経口補水液(OS-1など)やスポーツドリンクを人肌程度に温めて少量ずつ飲む
  • 吐き気が強い場合は、スプーン1杯ずつゆっくり摂取(おちょこで飲ませるイメージ)
  • 水分が取れない、嘔吐が止まらない場合は、早めに医療機関を受診

2. 食事について

⭕️ 消化に良いものを選びましょう。

  • おかゆ、うどん、すりおろしリンゴ など
  • うどんは、やわらかくなるまでしっかり煮込むと消化の助けになります。
    • イメージとしては「牧のうどんのやわめん」のような、しっかり柔らかくなった麺が理想的です。
  • 食欲が落ちている場合は、普段より少し濃い味付けにすると食べやすくなります。

 

避けるべき食品

  • 油っこいもの(揚げ物など)
  • 乳製品(牛乳、ヨーグルトなど)
  • 刺激物(辛いものなど)
  • 生もの(刺身など)
  • みかんなどの柑橘類(胃腸への刺激が強い)

嘔吐下痢の感染予防

ウイルス性胃腸炎は 感染力が非常に強いため、家庭内での感染予防が大切 です。

手洗い・消毒

  • 石鹸と流水でしっかり手を洗う(アルコール消毒だけでは不十分)

吐物や便の処理方法

  • 手袋・マスクを着用して処理
  • 次亜塩素酸ナトリウム(塩素系消毒液)を使用し、しっかり除菌

日常の注意点

  • タオルや食器の共有を避ける
  • 食品は十分に加熱する(特にカキなどの二枚貝)

保護者は特に気をつけて!

嘔吐物やおむつの処理をするのは、主にお母さんであることが多いですよね。でも、処理の際にウイルスが手や衣服につくと、そこから家族に感染が広がることも…。

⚠️ 処理の際のポイント

  • 必ず手袋・マスクを着用する
  • 処理後は、手洗いと消毒をしっかり行う
  • ウイルスは布にも付着するため、汚れた衣類やタオルはすぐに洗濯する

 


受診の目安

以下の症状がある場合は、早めに医療機関を受診してください。

⚠️ 危険な症状

  • 嘔吐や下痢がひどく、水分がほとんど取れない
  • ぐったりして意識がもうろうとしている
  • 口の中が乾いている、尿の回数が極端に少ない(脱水のサイン)
  • 高熱が続いている

 

🚫 下痢の症状がある間は、登園許可証の発行はできません。オンライン診療で登園許可証を発行できますので、下痢が落ち着いたタイミングでご利用ください。

 


まとめ

  • 嘔吐下痢(ウイルス性胃腸炎)は 特効薬がなく、脱水を防ぐことが最も重要 です。
  • 吐き気が強い場合は 少量ずつ水分を摂取し、無理をしないことが大切 です。
  • こまめな水分補給と安静を心がけ、感染予防を徹底しましょう。
  • 特に高齢者や子どもは重症化しやすいため、十分な注意が必要です。

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